「清き正しく遊ばせていただきます!」
ヒップホップは常に進化し続ける。どんなに年齢を重ねたとて、新譜の刺激はたまらない。その衝動を形にすべく、西の重鎮〈SHINGO★西成〉と〈SATUSSY〉が運命さながら手を組んだ。テーマは「やりたい放題」。選ばれたトラックは誰もが耳にしている新譜のビートジャック feat. 百戦錬磨のクラシックの数々。もちろん、自由気ままに作り上げられたストリートアルバムのため、ルートは非正規だ。しかし、流通に乗らない分、完全に脂は乗せてきているおっさんのスキル。
〈昭和レコード〉の看板を背負う覚悟を決めたSHINGO★西成は言った----「日常会話をラップにしたで!」と。同じく、韻踏合組合の組合長ことSATUSSYも「やっぱりラップするのが楽しい」と続ける。果たして、本作を耳にしたリスナーは思うだろうか、「おもってたんとちゃう」と。いや、そんな考えは「もうええわ、気にすんな」と杞憂に終わるはずだ。基本、ストリートアルバムはアホでええねんから。
西成×組合長が築き上げてきた裏庭コネクションで完成させた、ボンクラおっさん流"令和のダーティーバージョン"、ここに極まれり。(文:佐藤公郎)